2009.10.25
曇り時々ラファエル
●ノールックボス
ボスは、時々外の惑星まで飛んで日焼けして帰ってくる。
そういう話を聞いているだけで、帰ってきたボスの顔を確認したわけではない。
ボスの顔を見たとしても、ボスの顔は見ていない。
ボスは、ボス。
そのように思ってしまうから。空気がその存在を示してくれるから。
一度、その人間を認識した後では、私はあまり人の顔を見ないようになる。
ある特別な存在を除いて、きっとそうなる。
ボスは、時々外の惑星まで飛んで日焼けして帰ってくる。
そういう話を聞いているだけで、帰ってきたボスの顔を確認したわけではない。
ボスの顔を見たとしても、ボスの顔は見ていない。
ボスは、ボス。
そのように思ってしまうから。空気がその存在を示してくれるから。
一度、その人間を認識した後では、私はあまり人の顔を見ないようになる。
ある特別な存在を除いて、きっとそうなる。
2009.10.01
秋鮭のち、運動会日和
●吉野家
「並1つ」
「何のことだ?」
「牛丼のことだ」
「うちにはないよ」
「なんで?」
「ないものはない」
「吉野家でしょ?」
「そうだけど何か?」
「並1つ」
「よそへ行ってくれ」
「じゃあカツ丼でいい」
「はい。カツ丼一丁!」
「並1つ」
「何のことだ?」
「牛丼のことだ」
「うちにはないよ」
「なんで?」
「ないものはない」
「吉野家でしょ?」
「そうだけど何か?」
「並1つ」
「よそへ行ってくれ」
「じゃあカツ丼でいい」
「はい。カツ丼一丁!」
2009.09.14
青空のち真っ白け
●ヴァリエーション
にほん橋か、ニッポン橋かという話だ。
にほんだという声、ニッポンだという声、どっちも同じだという声、時によって変わるのだという声、そもそも何の話だという声……。
「ニッポンというと、何かかたいんだよねえ」
一人がそう言うと、瞬時にそれについての反応の声が広がる。
声は、狭い車内の中を白い熱気で覆い、それはまるで無関係な人々の鼻先にまで届いていた。
一つのテーマさえあれば、話は尽きることがないのだろうか。
電車は、日本橋に到着し、会議にブレーキをかけた。
ニホンザルの一団は、静かに降りていった。
にほん橋か、ニッポン橋かという話だ。
にほんだという声、ニッポンだという声、どっちも同じだという声、時によって変わるのだという声、そもそも何の話だという声……。
「ニッポンというと、何かかたいんだよねえ」
一人がそう言うと、瞬時にそれについての反応の声が広がる。
声は、狭い車内の中を白い熱気で覆い、それはまるで無関係な人々の鼻先にまで届いていた。
一つのテーマさえあれば、話は尽きることがないのだろうか。
電車は、日本橋に到着し、会議にブレーキをかけた。
ニホンザルの一団は、静かに降りていった。
2009.08.05
曇りがち曇り、おち特になし
●タケル
「どうさせていただきましょう?」
コンビニで犬とお弁当とお菓子と雑誌とアイスを買うと、店員は言った。
何もかにもを一緒にしてもらい家に帰る。
驚いたことに、お弁当やお菓子やアイスは全部犬が食べてしまっていた。
犬は薄っぺらいレジ袋の中で、くつろぎながら雑誌を広げていた。
タケルと名づけた。
「どうさせていただきましょう?」
コンビニで犬とお弁当とお菓子と雑誌とアイスを買うと、店員は言った。
何もかにもを一緒にしてもらい家に帰る。
驚いたことに、お弁当やお菓子やアイスは全部犬が食べてしまっていた。
犬は薄っぺらいレジ袋の中で、くつろぎながら雑誌を広げていた。
タケルと名づけた。
2009.07.28
ふんわり雲、のち、ぼんやり曇り
●カプサイシン
「かみさま、お願いします。
どうか、一握りの元気をください。
明日からも生きていけるような。」
「いいえ、ひとちがいですわ」
とカプサイシンは恐縮がちに言った。
「私は、新しいカプセルです」
早速、試しにカプセルに入って20分ほど休んだ。
少しだけ元気が回復した。
「かみさま、お願いします。
どうか、一握りの元気をください。
明日からも生きていけるような。」
「いいえ、ひとちがいですわ」
とカプサイシンは恐縮がちに言った。
「私は、新しいカプセルです」
早速、試しにカプセルに入って20分ほど休んだ。
少しだけ元気が回復した。



